手前味噌を道具が揃わないまま作ってみた①

手前味噌道具が揃わない状況で作り進めてみました。

目次

・味噌作りは自然との共同作業

・味噌作りあるある?失敗例いろいろ

・無ければ作る!「米麹」

・「シャトルシェフ」は超便利!

ここにきて道具が無い事に気付く…

味噌作りは自然との共同作業


味噌作り、今回で25年目になります。

昨年だけ休みました、これには色々事情があるのですが、コロナ禍のせいにしておきましょう。それ以外は毎年欠かさず作り続けてきました。

味噌作りのメリットはやっぱりおいしい事、たったあれだけの材料で市販の味噌、いやそれ以上のものが出来上がるというのに尽きると思います。

大豆・麹・塩これだけなんです。大豆を茹でて潰し、麹と塩を混ぜ合わせ保存しておくだけ。発酵・熟成という自然の力で、煮大豆があの馴染みの味噌の味に変身するというのは毎回感動します‥‥自然との共同作業「究極のDIY」と言いたいです。

味噌作りあるある?失敗例いろいろ


しかし人知では到底計り知れる事のできない、大自然との共同作業なわけですから、計算外の失敗もあります。味噌作りの失敗例で一番多いのはカビの発生でしょう。例外なく私も体験しています。

冷暗所で放置していた味噌を、久しぶりに様子伺いしてみると‥‥甕(かめ)の上面にびっしりカビが生えていた事があり卒倒しそうになりました。まあ多少ならずともカビは発生しますので、マメに蓋を開け、カビが少ないうちに対処しろって事なんですがね。

発生したカビは丹念に取り除き、甕の内側の消毒できるところはアルコールを含ませた布で良く拭き、表面を覆うビニール袋を新しく取り代える事で、大抵復活します、今まで食べられなくなるまでの失敗はありませんでした。

こんな失敗もありました。普段は常滑の甕に入っている味噌を、使い勝手がいい小分けの容器に移し使ってるんですが、なんだか小分け容器に補充する度風味が落ちてきている‥‥

おかしいと思いよく見てみたところ、甕が割れて空気と触れ表面部分が酸化状態に!そりゃ風味も悪くなるでしょうよ。色と匂いが変化したところを取り除き、別の甕に移し入れ事無きを得ました。

無ければ作る!「米麹」


失敗ではありませんがこんな体験もしています。その年なぜかどこも「米麹」が品切れで手に入らないのです。このままでは恒例の味噌作りが出来ない、どうしたものかと思いましたね。

そこで「麹菌」を手に入れ、米麹から作ろうと考え実行しました。

よく混ぜ合わせてやります

蒸かした米を寿司桶に広げて冷まし、麹菌をふりかけまんべんなく混ぜ合わせます。

段ボールの蓋を締め毛布も被せました

その麹菌をまぶした米を段ボールに入れ、毛布で覆い‥‥その頃セキセイインコが家族に居たため、備えていたペット用のヒーターもいっしょに入れてやり(2つあったのでインコに寒い思いはさせませんでしたよ)簡単な「室(ムロ)」状態にしてやりました。

ヒーター借りたよ、ごめんね?

蒸かした米4合分は結構な量です。上手く発酵してくれなかったら、これを全部廃棄する事になるので失敗は許されません。

温度計をこまめにチェック、上がり過ぎたらヒーターを切り、下がって来たらヒーターを入れる‥‥一時間おき、いやもっとマメにチェックするのはなかなかに神経を使う作業でした。夜はまとまった時間寝れない、仕事を始め他の作業が手につかない、けれど思うように発酵が進まないのでヤキモキする‥‥

ある日一度買い物に出かけて、思いのほか時間を取られ予定時間を過ぎて帰ったら、温度が上がりすぎてる!失敗したかと天を仰ぎました。失意のままその後もしばらく諦めきれず、保温状態を続けていたら‥‥麹菌が発酵を始めた証、米表面に粉が吹いている状態を確認!

それわ、たいを期に完成まで一気に近づいたのです。温度計の数値が間違っていたのか?温度の上がり過ぎという麹菌にとってスパルタな環境が功を奏したか‥‥

その年も無事にも手前味噌が出来たのですが、これほど苦労したのにもかかわらず、やっぱり市販の米麹を使った味噌の方が美味しかったので、麹菌を使っての味噌づくりは一度きりで終わりました。

「シャトルシェフ」は超便利!


さて、味噌の仕込みはカビ菌の活動が弱まる大寒の頃が一番良いとされていますが、どうしても後手後手になってしまいます。仕込みのタイムリミットとされている梅雨入り直前であるこの頃、慌てて作る羽目になります、今年も例外ではありませんでした。

梅雨入りが予想される一週間前、豆を水に浸しました。ほぼ一日かけて水を吸い込んだ大豆を煮ていきます。

私はこの作業に「シャトルシェフ」というものを使います。これ内鍋外鍋の二重構造になっていて、加熱調理をした内鍋ごと外鍋に収納すると、高温状態のまま保温できる。いわば燃料費をかけずに弱火状態で調理してくれるスグレモノなのです。

毎年乾燥大豆2キロを水で戻し茹でていましたが、今回1.5キロにもかかわらず鍋満杯になり、おかしいなと思っていますと、いつも1キロ分(乾燥重量)ずつをシャトルシェフ2台に分け調理している事を思い出しました。1年休むといろいろと手順を失念してしまいますね。

ここ実家には一台しか持ってきていませんので、シャトルシェフに入りきれなかった分は普通の鍋で茹でました。無理すれば一台でも茹でられないことは無いのですが、満杯状態だと底の方から十分に混ぜられず、シャトルシェフに入れる前の加熱段階で焦げ付いてしまいます。

上手く煮上がった様でも…
底は焦げ付いてしまいました

だから余裕を持たせた量で茹でていきたいものです。

ここにきて道具が無い事に気付く…


ここまできて大切なことを思い出しました!!

ここ実家には味噌作りに必要な道具類が無いんです、本宅から持ってきていませんでした。豆をつぶす防具も、常滑焼きの甕も、内蓋も重石も無いんですね。

ここには代用できる大きな陶器や琺瑯の容器が無い。豆は着々と茹で上がりつつあるというのにこの後どうすればいいのか?‥‥味噌作りを諦めてこのまま茹で大豆として食べちゃう?いやいや、とても食べきれる量ではありません。

さてどうなるのでしょうか…

作業机は形状にこだわる②

手前味噌を道具が揃わないまま作ってみた②

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