炭焼き・鶏肉かごではなく「缶」に入れて焼く

「鶏」を炭焼きにする時鶏肉かごではなく「缶」に入れて焼くという発想の元に作った物があります。

目次

・炭火の魔力に惹かれた我が家…

・香港で食べた「ダックの丸焼き」が忘れられず

・代用品で炭焼き窯を作り上げる

・脂受けに製菓材料が活躍する!

・やっぱり本命は「鶏」より「ダック」

炭火の魔力に惹かれた我が家…


「鶏肉かご」という商品を知っていますか?

一口大に切った鶏肉を、その金属製のかごに入れ炭火にかざし、炙り焼きするという宮崎の名物「地鶏焼き」に使う調理道具で、表面が焦げた脂に包まれ、香ばしい香り漂う一品です。ここでのツボは「炭火」で炙るという事なんですね。

炭火は燃焼時に水蒸気が発せず、カラリと焼き上げます。ガス火だと燃焼時に水蒸気を発、しベタっとした焼き上がりになってしまうのです。

それにガス自体本来は無臭なのですが、ガス漏れ時にすぐに気が付くよう、あの独特の臭いを付けているんですね。だから敏感な人はガスの直火炙りには、タマネギの腐ったような臭いするといいます(参照:美味しんぼ・3巻「炭火の魔力」より)

そしてあの炭独特の香りが最高の調味料で、ウチでも早いうちから七輪を愛用していました。とにかく炭で焼く焼き鳥は美味い!普通のブロイラーも、上等な焼き鳥屋の味がします。

炭焼きでサンマを食べたいがため、新鮮なそれを求めて、銚子まで片道3時間かけ、バイクを走らせたこともありましたっけ……といった具合に炭焼きは調理法の中でも特別な魅力を持っています。

香港で食べた「ダックの丸焼き」が忘れられず


普通の焼き鳥も美味しいのですが、さらに香港で食べた鵞鳥(ダック)の丸焼きの味を再現するのに、執心してしたことがありました。

これは妻の知り合いが香港在住の頃、遊びに行って観光ガイドに載っている有名店ではなく、地元民の間で評判の店に連れて行ってもらったのです…これが絶品!

ダックと言えば「北京ダック」が有名ですが、香港では皮だけでなく、炭で丸焼きにしたものをぶつ切りにして出してくれます。これを梅味のソースにつけてかぶりつくのが美味いのです。

この炭焼ダックを再現するべく悪戦苦闘しました。最初は丸のままのダックを棒に刺し、七輪の上でゆっくり回しながら、あぶり焼きすればいいと思ったのです…ほら、豚の丸焼きの要領。あれは子豚の口から肛門まで棒を貫通させ、それをゆっくり回しながら、熾火の上で焼き上げてるじゃないですか?

それをダックで再現しようと思ったのですよ。これは大失敗!焼いているうちに脂が滴り、それに火が着いて、巨大な炎が立ち上がりました!

しかもそれが家の中の事、換気を考えて窓際でおこなったのが災いし、網戸が焦げてしまいました。豚の丸焼きは、どのような技術で焦がさず焼きあげているんでしょうね?きっと超級技能を持った調理師が、特別なコツを用いて焼き上げているに違いありません。

代用品で炭焼き窯を作り上げる


研究しているうちに、チャーシューやダックを焼く窯がある事を知りました、そして合羽橋道・調理具屋街で実物を確認してきました、それはこのような構造のものでした。

脂受けというパーツがついていました。なるほどこれなら焼いているうちに滴った脂を受け止め、火に降り注いで火炎となって燃え盛り、焦がす事も無いわけです、これを再現することにします。

本格再現しようとすると、板金や溶接の技術が必要になりますが、そんな技術は持ち合わせていないので出来合いの物で代用しています。

まずは窯本体、これは「缶」というか「ペール缶」という、塗料など液体を入れるのに使われる缶です。

18~20リットルというから、普通サイズのポリ灯油容器と同じぐらいの容量と思ってください。この大きさなら丸鶏も楽に入りそうでしょ?もちろん何が入っていたのか分からない使用済みの缶を、食べ物関係に使うわけにはいきませんので、ネットで新品を購入しました。

これを七輪の上に乗せて使う前提で、底を七輪の形状に合わせて切り抜きます、ウチの七輪は横長のタイプですので、それに合わせ長方形に切り抜きました。

曲線はドリルで小まめに穴を開け…
その間をカットしていきました
直線は金ばさみで簡単に切れました

脂受けに製菓材料が活躍する!


次に「脂受け」です。正式なものですと、窯の内周に沿って受けが設置されているのですが、そのような金属加工は出来ませんので、検討を重ね「エンゼル型」で代用する事を思いつきました。

長尺ボルトがエンゼル型を受け止めてくれます

缶の中空にこのエンゼル型を設置し、ここで脂を受けるのです。真ん中に穴が空いているので、火元を遮断せず、食材まで熱を届けるというわけ。缶の3か所に長尺のボルトを取り付け、ここにエンゼル型受を引っかけました。

中央を走る鉄筋は食材を吊るすためのひっかけ棒

最初は、これもボルトの先に完全固定しようかと思いましたが、そうすると溜まった脂の処理がしにくいので、引っかけるだけにしてあります。ちなみにこの脂、ストックしておくと「鶏油」となって、味のアクセントになってくれます。蓋はたまたまあった鍋蓋で代用。

後になって、蓋つきのペール缶が売ってあるのを見つけて悔いました。しかしIKEAに同径のガラス製の蓋を見つけたので、これを購入するのもアリかと…この炭火窯、スモークマシンにも兼用でき、透明の蓋はなにかと便利です、燻製具合がガラス越しに一目で見て取れるので。

やっぱり本命は「鶏」より「ダック」


さてこの炭火窯でダックを焼く前にニワトリの丸鶏で焼いてみました。

バッチリうまく焼けましたよ…ただちょっと脂が抜けすぎて、さっぱりしてしまったのが惜しかった。

鶏より脂が多いダックなら丁度いい抜け具合になるのだと思います。しかしダックを焼くにはちょっと高さが足りない。もう1つペール缶を買って繋げるか、ブリキの板を丸めて継ぎ足すかしたいところです。

残念ながら新居に移ってからは未だ活躍の機会がなく、庭の隅で眠っている炭焼き窯……早く新居を整え終わり、網戸を焦がした炭火焼きダックのリベンジしなくては……

網戸を手作り…といっても枠をちょろっと

七輪のロストルを手作りしてみた

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