一階だけログハウスの二階建て…意味が分かりませんよね?
目次
・足場組みに油断…失敗の始まり
・夕暮れ時にショック…恐るべきスピードで事は進んでいた!
・ログハウスの構造はまるで積木?
・「制震」構造は我に通じるものあり
・これからの日本でこそ注目したい…ログハウスの意外な利点
足場組みに油断…失敗の始まり
基礎が完成したらその次の行程へ移るのは順調です、まずは足場が組まれました。この足場を組むところもじっくりと観察したかったんですがね。朝に業者さんがやってきたのを確認し、しばらく仮住まいに戻って家事をおこない、昼前に現場に戻ったところ完成寸前。半日もかからずあっという間に組まれ、途中経過を見ること叶いませんでした…油断していました。
土台が基礎に取り付けられました。土台も壁も一緒なのがログ壁だと思っていたので、土台が存在するとは知りませんでした。
その後も床材や長尺の無垢材が次々と運び込まれて、基礎の中に積み上げられていきました。今度こそは建築工程を観察したいと、ワクワクしながらそれらが組み上がるのを楽しみにしていましたよ。
夕暮れ時にショック…恐るべきスピードで事は進んでいた!
ある朝現場に挨拶に出かけて見ると職人さん4人ぐらいが集まっていました。その時には今日は組み上げるまでの下準備するんだろうな…なんて思っていたんですよ。長尺で結構重量のありそうな無垢材が数十本も積み上げられています。人力で組み上げていくのは無理だろう、クレーンの到着待ちかな?なんてね。
夕方再び見に来たんですね…あれ?もうすでに1メートルの高さぐらいまで組み上がっているではありませんか!
ログハウスの構造はまるで積木!
ここでログハウスの構造をお伝えしておきますね。在来住宅というのは基礎の上に土台を取り付け、そこに柱を立て、梁を渡して取り付けていく、そしてそれらを骨組みとして壁を構築していく…という構造なんですが、ログハウスというのは基礎の上に土台までは一緒ですが、無垢材を縦横交互に組み積み上げていく事で、壁が徐々に出来上がっていくという構造なんですね。
その最長が家の幅ほどもある長尺の板だから相当重いだろうし、無垢材をクレーンの力を借りずに人力で組み上げるなんて思ってもいませんでした(クレーンなど重機が入る時は事前に知らせが入る事になっており、それが無かったので、クレーンを使わずおこなわれたのだと推測されます)更に翌日には一階部分はほぼ完成していたんですね、プロフェッショナル恐るべし!
結局ログ壁を組んでいる途中経過は観察できませんでした…
このままスルスルと二階部分も組み上がるかというとそうはいかない。二階部分は在来住宅でして、柱と梁を基にした構造なんです。これが「一階だけログハウスの二階建て」と銘した所以です「二階建て住宅の一階部分だけログハウス」と言った方が分かりやすかったですね。
「制震」構造は我に通じるものあり!?
BESSというメーカーさんは、以前はオールログハウスの家を販売していたのですが、外観を重視して、二階部分は在来住宅にしたとの事。
ログハウスのイメージってあんまり良くないものですか?妻も最初は抵抗があったようです。でも丸太組みではなく四角くカットした木材を使っている上、さらにこうした処置により内装・外観共に在来住宅と変わらず納得していました。BESSの目論見は正しかったようです。
ログハウスの一番の利点、やはり地震に強い事ではないでしょうか?
通常の住宅の約3~5倍もの材木を使用したログハウスは重量があり、重心が低くなっています。そのため、地震の揺れには大変強いとの事、またログハウスは、無垢材を横積みにして1本1本をダボでしっかりつなぎ合わせた一体型構造になっています。地震に対して、ログが1本1本ずれながら摩擦力を発揮して、建物全体で地震力を吸収します。これは在来工法でいうところの「制震」に値する構造のようです。
強固に揺れに耐える「耐震」でも、揺れに乗って建物が動く「免震」でもない、揺れに逆らわずその力を受け流す「制震」…運命に逆らわず受け流してきた私の人生と被る?ところがあります。
これからの日本でこそ注目したい…ログハウスの意外な利点
冗談はさておき、BESSの担当者さんが、隠れたログ構造の利点を教えてくれました。在来工法だと柱と壁材で作られ、その間に断熱材が入っています。断熱材はスタイロフォームとグラスウールですが、このグラスウールは繊維状のため、外壁の内壁の間の閉鎖空間で濡れると、ほぼ永久に水分が抜ける事がなく、使い物にならなくなるそうなのです……床上浸水などになると総とっかえになるとか。
ログは無垢材のみで壁が出来ているので、もし濡れても乾けば元の状態に復元出来るのだそうです…大雨被害の多発する昨今、ログハウスの利点がもっと着目されても良いのではないでしょうか?
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