シュレッターのハンドルを手作りしてみました、認知症対策のためにです。
目次
・6年前からの計画を実行
・そして単身介護は延長された…
・認知症状は様々…どっちが大変?
・高齢者にも出来る仕事を模索する
・武骨なシュレッダーハンドルの完成
6年前からの計画を実行
まさか自分が高齢化問題に直面するとは思っていませんでした。
記憶をたどれば6年前にはもう公言していたのですね「妻と娘を残して単身両親の介護に故郷に帰る」と。その頃から父の認知症は発病していた模様…もう少し早く帰れば別の運命が開けたのかも、やりきれない気分にさせられます。
父は10年程前に転んで足を骨折しました、それが発端だったようです。何とか歩けるようになったものの、足取りはぎこちなく、それに合わせて動作も鈍くなり、あれほど熱心におこなっていた日曜大工も遠のきました。テレビを見るしかやる事がなくなれば、後は認知症状悪化の一直線ですね…
母から電話での報告で、父はトイレが間に合わなくなったと聞いていました。時折様子見に帰省するとトイレが間に合わないどころか、意思の疎通も難しくなってきていました。
電話連絡で、だんだん母による介護が大変になってきた旨を聞き、大容量吸収の紙パンツや補助パットを使うよう促し、防水シートの存在を知らせ配送の手配をする。デイサービスに申し込んでやる…などリモートで援助してきましたが、いよいよ自分が直に面倒みなければならない時期かもと、ひしひしと感じてきたのです。
そして単身介護は延長された…
娘が大学に合格したのをきっかけに、新しい家に建て替える計画に着手。男手の無いボロボロの一軒家に妻と娘二人残していくのは不安だったのです。今までも記事にしてきたような、様々な難関を潜り抜け新居完成。その二か月後に実家へ…長期滞在の身となりました。
あらゆる介助を体験しました。トイレや入浴の手伝い・散髪・紙パンツの脱着・食事の補助・投薬・デイサービスを行き渋るのを説得する・徘徊の見守り…しかし4か月後には入院、それから3か月後表向きは老衰、実際には誤嚥性肺炎という形で看送りました。
短かかったような長かったような、怒涛の7か月間を過ごしましたね。介護終了、さて本宅へ戻れるかと思っていたら…そうはいかなかったのですね。
父のケアマネージャーがそっと「あなたのお母さんも認知症状がみられる」と忠告してくださいました。一見普通に見えるのですが、そういえば物忘れが激しくなったような…そしてアドバイスに従い「脳神経内科」へ母を連れて行き診察してもらう事に。
その結果「要支援2」段階の早期認知症という事が言い渡されました。私が滞在し父が生きていた7か月の間にも、その症状は目に見えて進んできました。そんなわけで介護帰省は延長する事になったのです。
認知症状は様々…どっちが大変?
認知症状と言っても人によって違うものですね。
父は「完全認知症状態」「おぼろ認知症状状態」「ほぼ正常状態」の3段階の状態を繰り返していて、その都度どの段階かを認識できれば扱いは楽だったのですが、母の場合はとにかく物忘れが激しく、対応はある意味父よりも大変かも……
通常生活は営めるのですが、忘却が激しすぎてハラハラさせられます。冷蔵庫の物を取り出して元にしまい忘れる。買ってきたものを冷蔵庫にしまい、その存在を忘れてしまうので腐りかけ寸前に私が食べて処理する。
何より怖いのが外出し、鍵を鍵穴に差し込んだまま抜き忘れて出かける…これは一人にして置けません。
脳神経内科からの処方薬は、段階的に薬を強められ、今は最高濃度の薬を飲んでいるので、認知症状の進行はとどまっているように感じます。実際に介護認定士による判断でも、昨年と同じ要支援2でした。
私がもっと早く帰郷して、これと同じ薬を父に処方してもらっていれば、認知症状を遅らせてやれたのかもしれません……
認知症状が進んでいない要因として、週2回デイサービスに通わせているのもあるのだと思います。人と接する事で脳に刺激が与えられ、認知症状進行を食い止めるのに効果あり、と脳神経内科の先生の勧めで行かせるようにしたのですが、結果その正解だったようです。
高齢者にも出来る仕事を模索する
脳に刺激という意味では、仕事を与えるのもアリだと思うのですが、本人がやりたがっている食器洗いや風呂掃除などはとにかく段取りが悪く、無駄が多いものですから任せられない。実際私がそれらの仕事を引き受けるようになって光熱費・水道代が60%にも抑えられたぐらいです。
無駄を出さないで、認知症者にまかせられる仕事は何だろう?と思い考え付いたのが「個人情報の掲載されている印刷物を、シュレッターに掛けさせ処理させる仕事」でした。
母は一見整理じょうずに見えていたのですが、ここに来てその実情を知ると、全然ダメな人でした。とにかく断捨離が出来ないので、目について困るものは、物置や納戸や押し入れにしまい込んでしまっていて、封筒や書類など山積みにされていました。それを自分で落とし前付けてもらおうという訳です。
家庭用の小型シュレッターはこの家に存在していましが、ほとんど使っていなかったらしく、ハンドルが紛失したまま、困らなかったのでしょうか?いかにも整理に無頓着って感じです…新しいのを買うのももったいないので、ハンドルを作る事にしました。
武骨なシュレッダーハンドルの完成
もちろん私の作るものですから、本体に合ったスマートな物ではありません。木材を使った武骨なヤツです。
工作材二本にネジ穴を開けます。
回転心を挟み込み固定させます。
これを仕事として与えました。なにせ30年以上所有していた個人情報付きの書類を処理するのですから、相当な仕事量になるでしょう。ゆっくり時間をかけてやってもらいたいと思います。認知症状改善効果はあるのでしょうか?
……さっき覗いたら古い書類や手紙を懐かしそうに見ながら選別していましたよ。ちょっとでも刺激になってくれるのを祈ります。
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