耐震に不安な個所「窓枠」それを窓枠強化することで補強してみました。
目次
・揺り返しに間に合うか?緊急耐震補強実行!
・北側壁面倒壊の恐怖にかられる
・材料求め流浪の民に…一筋の光差し込む
・「ウッドピタ」から着想を得た…後付け筋交い
・あの名作コミックの心境を痛烈に感じる
揺り返しに間に合うか?緊急耐震補強実行!
2011年3月11日14時48分、忘れもしませんあの忌まわしい「東日本大震災」
揺れが起こった時、私はホワイトデーのお返しでエクレアを作るため台所にいました。揺れが起きた時またか…思いましたが(千葉は日頃から地震が多い)その揺れが収まらない、それどころかいよいよひどくなってきます。
その時聞いていたラジオ「文化放送 大竹まことゴールデンラジオ」では、室井佑月氏による原稿読みの最中でした。揺れに構わず読むのを止めなかったので、太田英明アナウンサーが半ば強引に中断させ、ニュース報道に切り替得られました。
ラジオ片手に外に飛び出すと家は軋み、電線はキシュン…キシュン唸りを上げながら揺れ、地面は豆腐のように撓んで(たわんで)いました。ご近所さんも次々に飛び出しては恐怖に震えていました。「地震なんて来やしないよ」なんて日頃強がっていたお爺さんは、顔面蒼白で地面にへたり込んでいます。
北側壁面倒壊の恐怖にかられる
地震直後には揺れの恐怖に震えましたが、私にとってはその後の心中にじわじわ広がる、ある不安の方が恐怖だったのです…
遡る事3年前、この旧宅では耐震補強工事を終えていて、完全ではないものの施工前の2倍の強度を得ていました。
しかし業者によると「北側の補強が万全ではない、北側は窓が多く壁が少ないので耐震壁に出来るところが少ない。地震が来たら北側壁面が持ちこたえられず、ここから倒壊する危険がある」という警告を受けていたのです。
地震後の「文化放送 大竹まことゴールデンラジオ」で室井佑月女史は揺れの最中でもCM読みを止めなかった事について「揺れが怖くて読み続けていないと取り乱しそうだった」と告白しています。分かる!地震直後はまさにその心境でした。
何か行動していないと取り乱しそうになる…揺り返しが来て倒壊したらどうしよう、北側の耐震補強を何とかしたい!その一念にとりつかれてしまいました。
地震前から考えていた事があります、それを実行しようと行動開始しました。
材料求め流浪の民に…一筋の光差し込む
まずは材料を探しにホームセンターに行きました。しかしご存知のように震災後のホームセンターは緊急物資を求める人で長蛇の列。しかも午前中には品不足のため閉店だというので、買い求める事はおろか、入店さえもできません。その後の3店も同じような状況でたらいまわしを受けたのです。
ああ北側の補強案をもっと早く実行しとけばよかったと悔いました。不安のまま帰路に就く際、近所の工務店の前を通りかかり、ここには材木が積んであるな?ひょっとして…とダメもとで声掛けしてみました。
こんなわけで材木を探しているんですが、小売りしてもらえませんか?と告げると事情を分かってくれた店主は、その条件に見合う材木を取り出し「非常時だからお金はいいよ、あげるよ」と言ってくださったのです!
のちにその材木はそれほどに高価なものではないと知ったのですが、値段は関係ありません。ただただ非常時の人の情けが身に染みましたね…持ち帰り早速施工を施しました。
「ウッドピタ」から着想を得た…後付け筋交い
それは窓がある壁であっても、窓を塞がずに耐震補強できる技術です。「ウッドピタ」という名称で製品も売られており、それに以前から着目していました。ただウチの場合はそれを購入せずに耐震金具と木材てやろうとしていたのですね。
こちらはファンシーケースになりますが、後ろの筋交い金具を取り付けないとグラグラです。その金具を付けることによって、グラグラがピタリと収まります。この原理ですね。
早速工事実行。こちらは風呂場の窓の下部になりますが、外壁の板の奥、土台まで届くよう長尺のネジにて後付け筋交い板を固定させます。
上部にも長尺のネジにてモルタル壁を貫通させ、梁に固定してやりました。
あの名作コミックの心境を痛烈に感じる
トタンの庇(ひさし)が悲惨な事になっていますね?見てくれなんて構わず急ぎ取り付けたものですから、庇の取り外し位置の目測を誤ったのです。
日本を代表するコミック、大友克洋氏の「AKIRA」作中、ネオ東京の地下に保存されているアキラを冷凍保存したカプセル。そのパイプだらけの醜悪な外観に大佐は「(それを施工した過去の技術者に対して)慌てたのだ…怖くて仕方がなかったのだ」とつぶやきますが、まさにその心境でした。
耐震補強後の耐震強度は0.44でしたが、この北側補強で0.6ぐらいには上がったと思ってます…この旧宅は人の情けで守られていました。
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