「おでん」に効率よく味を染ませる研究をしてみました
目次
・実家で出来なかった事を本宅でリベンジ
・鍋は炊事担当者の強い味方
・娘の反応で少年期を思い出す
・愛用品で染み込み論に終止符?
・肉がおでんをおかずに変える
・大根下茹で反対派
・入れたり出したり…具材の特性を生かす
・しゃぶしゃぶでおでんに新風
実家で出来なかった事を本宅でリベンジ
二重生活というのは、家事負担も二重なのです。
佐賀の実家で窓拭き・庭木の剪定・冷蔵庫掃除などをおこなってきたのですが、ここ千葉の本宅でもまるでデジャブのごとくそれらの仕事に追われております。
実家の剪定は時間切れで大半を残してしまったのです。窓拭きも一階は何とか終わらせたのですが、二階までは及びませんでした。
本宅ではその反省を踏まえ、真っ先に剪定をおこない、何とかサッパリとした様相で新年を迎える事が出来そう。
窓拭きは全窓終えました。しかし旧宅の旧世代の窓と違って、新宅・今時の窓は窓拭きが難しい!ガラス面と枠の境の段差があまり無く、スクイージーが枠の方に脱線してしまいがち。こんな感じで新年を迎える準備に忙しく、DIY作業はほとんどできていません‥‥
鍋は炊事担当者の強い味方
このような忙しさの中でも三度の食事の準備からは逃れられません。そんな状況での「鍋料理」という選択肢は有難いですね。材料を切って鍋に投入すれば食べられる、ほとんど手間いらずで炊事担当者の味方のような献立といえます。
今回はウチにとっての鍋の王様「おでん」を作ることにします。普通の鍋に比べると少々手間はかかるのですが、家人たちが喜んでくれるんだから作り甲斐があるってもんです。特に妻はおでん大好き。ビールに良し日本酒に良しだからでしょうか?
娘の反応で少年期を思い出す
それに比べると娘の反応は少し鈍いです。思い返せば私も少年期は晩御飯のおかずがおでんだとあまり嬉しくなかったような‥‥なぜなら「おかずにならない」
大根・卵・練り物ではご飯が進まない気がしますね。娘も同じように思っているのでしょう。娘は酒を飲まないので(飲めるけど会社の飲み会で散々飲まされていて、家でまで飲む気はないらしい)酒肴としてのおでんの魅力に目覚めていないのかもしれません。
愛用品で染み込み論に終止符?
一般的に煮物は大量に作った方が美味しいと言われます。しかしその理屈でいくと核家族化した少人数家庭では美味しい煮物は食べられないことになります、そんなことあるかい!とばかり少量でも美味しい煮物(今回はおでん)を追求することにします。
材料に味が染み込む行程を科学的に分析すると「具材は加熱すると水分が抜けていく。そして冷やすと水分が戻る。この戻る時に煮汁が食材の中に取り込まれ、味が染み込む」とあり、煮あがったら冷ますを実践してきたのですが、最新の説だと、弱火で煮続ける方が正解ともありますね。
常識に新常識をかざして反論するのは世の常で、一概に信じてはいないのですが、それでも気にはなるところです。しかし愛用の「シャトルシェフ」を使った調理なら、その両方を兼ね備えているのではないかと考えます。
これは二重構造になった鍋で、内鍋で調理をし、それごと外鍋に収納し保温することで、魔法瓶効果の調理ができ、弱火でコトコト煮たような効果が期待できる優れものなんです。
長時間放置しておくとやはり温度が下がってくる、これすなわち「弱火でコトコト」「ゆっくり冷まして染ます」両方の利点を兼ね備えていると思うのです。
ではこのシャトルシェフを使うのを前提とした我流レシピをお伝えいたします。
肉がおでんをおかずに変える
まずは調理前日、手羽先に下味をつけるところから始めます、肉は過熱時には味が染み込みにくい、下味をつけるのがよい、という最近の調理法を踏まえました。
日本酒に塩と砂糖を溶かした液に漬け込みます。塩と砂糖を水で溶かした「ソミュール液」というのが最近の流行のようですが、風味アップを考え私は酒を使います。砂糖は保水力を上げ、肉を柔らかく仕上げるようですね。
手羽先を入れるのは、肉の旨味を汁に加えるのと、練り物・野菜が主では物足りない米飯向けのおかずとしてガッツリ肉系で補うため。これは普通なら牛すじ的な立ち位置なんですが、この歳になり牛筋の脂が受け付けなくなってきたので代用しています。
大根下茹で反対派
鍋に水を張り昆布を漬けて一晩おき、翌日午前中に大根を入れ着火します。
大根は味が染みやすくなるので下茹でするべし、というレシピも見受けますが私は賛同できません。大根の風味というか味わいが無くなってしまうから‥‥大根からもいい味が出ると思うんですよね。
味付けは酒と塩、そして少量の醬油。ウチのおでんはうまみ重視で淡い味付けなんです。沸騰してきたら手羽先とさつま揚げ・がんもどきを投入、鍋を外鍋に収納します。
30分経ったらさつま揚げ・がんもどきを取り出します。長時間煮るとこれら練り物は味が流失してしまい、美味しくなくなるのでこのくらいが限度だと思います。程よくさつま揚げ・がんもどきの味と甘みと油が汁に加わります。
入れたり出したり…具材の特性を生かす
再加熱して再び外鍋に収納、30分したら今度は手羽先を取り出します。これ以上煮ると旨味が抜けるし、肉もホロホロと崩れてしまうのでね。1時間ほどで取り出すのが味よく肉離れも良い。大根はそのまま鍋に残し、ゆっくりと冷ましていきます。
別鍋に出汁を分け、塩を足して濃い目に味付けした汁に下茹でしたこんにゃくと卵を漬け込みます。この二つは薄味汁を染ませても塩味が足りないと思うから。
卵の茹で時間は6分30秒がこだわり。半熟卵大好きの家人たちが喜びます。ただし半熟卵はこれ以上熱を加えると固ゆでになってしまうので注意が必要、少し冷めた頃の出汁に入れるのがよろしいかと‥‥
しゃぶしゃぶでおでんに新風
晩御飯の頃になると、ゆっくりゆっくり染みて完成に近づきます。最後の仕上げとして、ちくわ・はんぺん・餅巾着などを投入、30分ほど煮込んだら完成。
行程のタイムスケジュールを表にしてみたので参考までに。赤い棒グラフ部分が鍋に投入している時間帯です。昆布は沸騰直前で取り出せと言われますが、一番出汁じゃないんだから、徹底的に旨味を煮だしてやります。
土鍋に移して食卓の卓上コンロに乗せ火を着けます。先ほどのさつま揚げとコンニャク・卵も温める程度に熱しながら食べていきます。
彩りが地味なのと緑黄色野菜が足りないので、最近はまっている水菜の薄揚げ巻きを足しました。煮立った汁でしゃぶしゃぶして食します。
大根は煮すぎても美味しくないのですが、程よい柔らかさと染み具合で完成できました。苦節ン十年でたどり着いたレシピ、シャトルシェフがなければ鍋を毛布で巻いて保温しても可。よろしければお試しください。
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