ボール盤・バイスも含めて日本製だったか?

あの時のボール盤バイスも含めて日本製だったのでしょうか…?

目次

・手に入れたボール盤は外国製の粗悪品?

・少年時代の夢は叶えられるのか?

・新たなる希望が!しかし…

・ボール盤の必要性を痛感した!

手に入れたボール盤は外国製の粗悪品?


特に無くても困らないけど、必要な時が訪れてしまうというのが「ボール盤」なのではないでしょうか?

穴を開ける電動工具と言ったらドリル、これさえあれば大抵の穴は開けられます、しかしやっぱりボール盤ならではの機能があると思うのです。ボール盤ならではの機能…それは目的の口径の穴を正確に垂直に開ける事でしょう。

私がボール盤を手に入れたのはもう数十年前の事。似たような仕事をしている知人から、近くのホームセンターでボール盤が特売されているから一緒に購入しとこうか?との連絡を受けたのです。

実はその時にはボール盤という物がどういった物かきちんと把握していなかったんですね。その頃は独身で懐も温かかったし、大抵のものは考えなしに購入できた時代でお願いしてしまいました。

その時のボール盤、実際使ってみたらドリル刃を固定するチャックが歪んでいるらしく、刃が回転すると微かにブレるんです、しまった!安物買いの銭失いだったと後悔。普通に穴を開ける分には問題ないのですが、精密さを要する穴開けには使えなかったのです。

少年時代の夢は叶えられるのか?


実は購入を持ち掛けられた際、ボール盤がどういう物か理解し、密かに作りたいと希望が湧いてきたものがありました。それは「ボール&ソケットジョイント」

これは映画でストップモーションアニメーション(コマ撮り)という特殊撮影をする時に使う物。SF映画などで怪物を登場させたい時、人型に近い形状のものは「着ぐるみ」と言われる怪物スーツを作り、人が入って演技するのが日本での普通の方法です。

しかし人間体形を超えた怪物だと、自在に動かせる金属製の骨組み(アーマチュア)を仕込んだゴム製の怪物模型を作り、動きを少しずつ変えながらコマ撮り撮影。

現像後フィルムを普通に連続再生すると生きているように動いて見えるのが、ストップモーションアニメーションという特殊撮影技法なのです。今のようなCG時代が到来するまでは、主に外国映画での怪物特撮映画の技術の主流でした。

引用:株式会社グラフィックス社「映像+01  特集 人形アニメーションの現場」より

ボール&ソケットジョイントというのは、その金属製の骨組みに使われる関節の名称で、金属棒の先に取り付けられた真鍮製の玉(ボール)を真鍮製の板(ソケット)で挟み込む、自在に可動出来てヘタレない丈夫な骨格。プロフェッショナル仕様な代物。当時の特撮少年はどれだけ憧れたかお察しください。

少年の頃SF雑誌でメイキング記事を読み、ボール&ソケットジョイントを作る事に取りつかれました。しかしそれを製作するには、真鍮の球体に穴を開け、金属棒を通す技術と工具が必要です。当時の技術では金属加工など出来なかったから、諦めざるを得ませんでした。

ちなみに代用品として「糸ヒューズ」を撚って(よって)作るワイヤーアーマチュアがあると追記があり、糸ヒューズというモノを見つけるのに躍起になりました。当時はネットなんて便利なものは無かったから電話帳で調べ、片っ端から電気工具取扱店に足を運んで訊ねまわりましたね。

当時のひたむきな行動力が懐かしいです。でも苦労して探し当てたものは、ヤニの入ってていないハンダ線のごとき物でガッカリしたでしたよ。出来た物も、過酷な動きをさせると金属疲労ですぐに折れましたしね。

そんな事もあって、いつかはボール&ソケットジョイントを作りたい、という想いがずっとくすぶっており、今度こそ作れると浮足立ったのですが、残念ながら精密加工にはむかないボール盤だと分かってショック。

とにかく安価だったので、おそらく日本製ではなく、海外からの仕入れ品だったのかもしれません、バイスも固定できない粗悪品でした。

新たなる希望が!しかし…


十数年後に新たな希望が見つかる事になります、父の電工具所有品の中にボール盤を見つけたのです!刃の回転にブレのない事、スピード調節も出来るのを確認し、いずれはこれが私の物に、と楽しみにしていました。

しかし父は自分が大工仕事が出来なくなった、と判断した時点で、大部分の大工道具や電動工具やを知り合いに譲ってしまっていたのです、その中にはボール盤も。あれだけボール盤は譲るなと言ってたはずなのに…認知症状が出始めていた父はすっかり忘れてしまっていたのですね。

ボール盤の必要性を痛感した!


さて、長い前振りでしたが、本来現在この実家にあるはずだったボール盤を使ってなら、楽勝だったボール&ソケットジョイントではない工作物を今回作ります。普通のドリルでおこなったための苦労を語らせてください。

今回作る工作物は先述したボール盤の機能「目的の口径の穴を正確に垂直に開ける」という事が必要とされるものでした。

5mmのベニヤに穴を開けます。極力正確に開けるため、ドリルの刃を小さい口径から順に段階を3回踏んで口径を広げていき、目的の口径へたどり着きます、そうした手順を繰り返して目的の数の穴を開けます。

同じ場所に穴を開けた板がもう一枚必要だったので、一か所穴を開けたらそこをボルトとナットで固定、板を重ねたまま残りの穴を開ける事で極力正確に開ける事を目指しました。

ここの方法にたどり着くまで試行錯誤し何枚か没にしましたよ。ですが板の穴開けはまだ楽だったのです…

まずは二か所で板同士を固定します

今度は角材に穴を開けますが、厚さがあるのでガイドを用いてもなかなか垂直には穴が通らない。ドリルを回転させながら、刃で穴を削るように出し入れし、無理やり正確な位置まで広げました。

その不細工な穴を隠すようにポリエステルワッシャーを接着します、これは可動をスムーズにするためのもの。上手い具合に安価な物が近所のホームセンター見つけられたので助かりました。

これだけで100円くらいです
強力接着剤で貼り付けます
穴を正確な位置に合わせるため対の角材同志をボルトで仮に繋ぎました

これらを組み合わせました、このように展開します。ホント、ボール盤があれば簡単な工程だったんですがね……

さてこれがどのようになるかは次回のお楽しみ。いやこの形状、すでになにかお察しの方もおられるかも…はい、まさにその通りの物が出来上がります。

滑らかに動く引き出しを作ってみた

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耐震補強工事においても詳しいです

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