外付け物置製作…今回木製というより「竹」の恩恵にあやかりました。
目次
・耐震補強の技術が生かされた
・在り物重視は上手くいかなかった?
・「竹」の恩恵にあやかるとはこの事
・技術は未熟でも見栄はある
・既視感はあの爪楊枝職人?
・ここでも「竹」の恩恵にあやかった!
耐震補強の技術が生かされた
家具を作る際、一番充実を感じるのが機能性を考えながらレイアウトしていく過程なのではないでしょうか?
前回までで一応の外観は整い、やっとレイアウトを考えながら、棚板を取り付ける段階までたどり着きました。おっとその前に屋根を取り付けますね。
今までのDIYで実感したんですけど、箱モノを組み立てる時に、背板を取り付けると途端に変わりますね、それを取り付けるまではグラグラしていたものがガッチリ固定されます。
本ブログでは耐震補強工事の際、土壁を合板に置き換える工法を、たとえとして箱もの家具に背板を取り付ける事でしっかりすると説明したのですが(「耐震工事で合板で一層の強度が得られるか?・我が家の耐震工事③」参照)今回の場合、棚枠をしっかりさせるのは屋根の役割、屋根の合板が背板の代わりになりました。
在り物重視は上手くいかなかった?
9mm厚の合板を使うのですが、その合板長さが足りません、そこでちょうど手元にあった5.5mmベニヤ板を重ねて貼り合わせ、厚さを増した板で足りない長さを補う事にします転転‥‥
ここで疑問を持たれた方、あなたは正しい!5.5mmベニヤを貼り合わせたものは5.5×2で11mmになるわけで、9mm厚と11mm厚ではスムーズに繋がるわけはないのです。それでも強引に繋ぎ合わせました。
こちらは裏なんですが、厚い部分を電動カンナで削り落とし、厚さを合わせるという力技を実行しました。正面からの見た目の違和感を無くしています。
屋根は雨がダイレクトに降りかかる過酷な場所なので、防水対策はしっかりします。繋ぎ目に木調エポキシパテを塗り込み硬化した後、均すために仕上げサンダーを掛けました。
「竹」の恩恵にあやかるとはこの事
これで棚枠がしっかりと固定されました、そこから改めて始めた事があります、それはもう片側の扉を付ける作業。
合わせて二つの扉を付けることになっているこの外付け物置ですが、前回記事、扉を付けた時点で、屋根を取り付けてしっかりと棚枠を固定しないと、本体の歪みで扉の位置が左右で上下するのです。もう片側の扉を付ける前に、固定しておく必要を感じましたが、ようやく進める事が出来ます。
こちらの扉は前回記事の扉と違って小さいため、キャスターによる補助を考えること無く取り付ける事が出来ます。
それにしても蝶番の取付は繊細さが必要ですね。ネジ穴の少しの狂いで扉の位置が上下してしまう…何度かネジ穴位置を変更しています。失敗の度、ネジ穴に竹ひごを叩きこんで瞬間接着剤で固定し、表面を均して再チャレンジ。
硬度の問題で竹ひごが良いのです、冒頭の竹の恩恵にあやかるとはこれを意味するのでした。
技術は未熟でも見栄はある
それぞれの扉に「キャッチ」を取り付け、カッチリと閉める事が出来るようになりました。こうやって外枠をガッチリ確立させた上で棚板を取り付ける事にします。
まずは最大の収納物である石油ストーブの置き場は確保できました(赤矢印部分)しかし右側内棚の残りの収納スペースは案外狭いですね‥‥ここまで苦労してきたのに、手間に見合うだけの収納が確保できない気がして少しガッカリです。
向かって左側には主に電動工具を収納するために大きくスペースが確保できました。細かく区切ってたくさん収納させたいもの‥‥しかしこの棚板が外棚構造の影響で一寸面倒くさい形状になるのですね。
形状も面倒くさいのなら、組み方も面倒くさい。こんなややこしい形状に(赤矢印部分)
これは正面部分に木の断面を見せたくないという、言うなれば見栄の賜物ですね。こうして棚板は整える事が出来ました。
後は実家に戻るまでに鍵を取り付け、外装にペンキを塗る事が出来るか‥‥年末年始はなにかと忙しいのでね。さてもう一つの造形物コライドンですが、いよいよ色塗り前の最終局面となりました。
既視感はあの爪楊枝職人?
このコライドン、孔雀の飾り羽のようなものが尾に付いています。これをプラスチック板で再現しますが、表は粘土を盛るとして、組み上げる前に裏の処理を仕上げておきます。
カッターナイフで縁を削って、曲線を帯びた柔らかな表面にする…それはまるで職人のような根気強い作業です。私が二重生活のため作業場が整っていませんで、今回は窓際に手短な木枠の箱を置いて作業台とし、コツコツと整えています。
なんだか江戸時代の職人にでもなったかのようです、この光景に既視感が‥‥思い出しました。池波正太郎先生の代表作の一つである「仕掛人・藤枝梅安」シリーズで、梅安の相棒である彦次郎。彦次郎は梅安と同じ仕掛人なのですが、仕掛人としての裏の顔のほかに表向きには楊枝職人として、コツコツと房楊枝を作っていて、映像化作品でその光景を記憶していたのですね。
最近時代劇専門チャンネルでいろんな仕掛人・藤枝梅安の映像化作品をやっていて観比べたのですが、彦次郎役はなんといっても田村高廣氏演ずる彦次郎に尽きます。
この彦次郎、原作通り過去を引きずる影を感じさせていながら、尚且所作に色気があるという‥‥何というか「華」を感じ、小林桂樹の藤枝梅安を喰ってしまったような存在感すらあります。そんな事を想いながら、劇伴のギターの音色をハミングしつつ彦次郎になりきり、ひたすらパーツを削っておりました。
ここでも「竹」の恩恵にあやかった!
このコライドン、小学生にあげる前提で作っているのですが、小学生の扱って予測不能じゃないですか?大抵の荒い扱いに耐えられるよういろんな工夫をしています。この尾の羽もプラ板だけでは強度不足なので、竹ひごで裏打ちしてたわまないようにしています、ここでも竹ひごの恩恵にあやかりましたね。
パーツ同士の接着も普段なら瞬間接着剤で固定してしまうところですが、瞬間接着剤で留めた後、2液混合エポキシ接着剤を隙間に流し込みました「瞬間接着剤=剛」「エポキシ接着剤=柔」の強力タッグで固定してしまうイメージです。
むかし恐竜といえば尾を引きずって行動するのが定説だったのですが、現在では尾を浮かせて歩くのが当たり前になってしまいました。私の少年期に認識がひっくり返り、尻尾は引きずらない観念が叩き込まれたものですから、尾を引きずる体勢には抵抗がある…そこでオリジナリティを出す意味も込め、尾を地面から浮かす体勢に変更しています。
しかし二本足だけで立たすには安定感が悪い、そこで尾の先を地面に付けるようし三点で立たせるようにしてみました。しかし後になって気付きました、これは失敗だったか‥‥
この先っちょで支える方法、面で支えず点で支えるため、圧が集中し塗料が剥げてしまう可能性が大、そこで尻尾の先だけ赤い塗料を練り込んだ粘土で置き換えました、地色が赤なので色が剥げても安心。
今まで仕事では不特定多数を相手にを作ってきたものですが、こうして受け取り手が明確にあり、不慮の事態を想定し、先手を打って気をまわして作るという行為も面倒くさいけどまた楽しです。
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