換気扇の小型を窓に取り付け「排塵装置」を作ってみた

換気扇小型の物をに取り付け「排塵装置」という物を作ってみました。

目次

・ミクロとの戦いに悩まされてきた

・初代排塵装置の反省を踏まえる

・数奇な運命の小型換気扇…

・廃材をリサイクル

・ハリウッドでも用いられる?工法

・環境にも配慮した排塵装置完成!

ミクロとの戦いに悩まされてきた


私は物を作る仕事をしています。この仕事を始めた頃から「粉塵」対策には悩まされてきました。

製作中はカッターで削ったり、サンドペーパーで仕上げをするという過程において、細かな粉塵が発生するのは、仕事の性質上どうしても避けられないのです。

カッターでの削りカスは、散らばったら掃き、まとめて塵取りで収拾。ゴミ箱に入れれば問題ないのですが、問題はサンドペーパーで研磨する際発生するミクロ単位の粉塵。

「削りました、粉状の表面で状況がよく見えません、フーッ!」…などと調子に乗って吹き飛ばしますと、部屋中に舞い上がってしまうのです。そして数時間後には床や棚の上…いや部屋中無差別に埃として降り注がれてしまいます。

また肺に入ると、呼吸器系の機能に影響を与えてしまいます。いま主に使っている材料はそれほどでもないのですが、以前、有機溶剤使用のプラスチック系材料から出た粉塵は、油断して吸い込んでしまうと呼吸の苦しさを感じてしまったものでした。

ノズルの先端にブラシを取り付けた掃除機にて、まだ舞い散らない状態でいる粉塵を吸い取るというのは、かなり有効な防塵対策です。しかし研磨している間にも、粉塵は空中に舞い上がっているので、それを常時吸い込む、何らかの方法を取りたいと思うのです。

初代排塵装置の反省を踏まえる


実は以前も同じ発想の元「排塵装置」という物を作っています、もう15年以上前の事でしょうか…

窓際に換気扇が付いているので吸引部分から遠いのと、小型でパワーが足りなかったのため、排塵力はイマイチでした。手元に明るさを確保するために、透明アクリルのフードが付いているのと、ダクトの向きを変えられる様、クラフト紙で作った蛇腹の関節が付いているのは気に入っていたのですが……

数奇な運命の小型換気扇…


この排塵装置は引っ越し時による解体後、小型換気扇は取り外されて「吸煙装置」に改造されました。部屋の中で炭焼きを行う際、七輪の真上に設置されたダクトから煙を吸い、外に排出してくれるものです…前回・前々回に引き続きまたもや七輪登場。

排塵装置に比べると相当お手軽に作っていますね。しかし、これは小型換気扇のパワーを考慮して作られたため(ダクトが無く、フードだけなので煙元と換気扇が近い)強力な吸煙機能を発揮してくれました。

おかげで、今まで窓全開で炭焼きをおこなっても部屋中に充満し、数日は煙の匂いが消えなかったのが、全く煙を気にすることなく炭焼きを楽しむ事が出来るようになり、大変に重宝しました。

旧宅を解体しとりあえず必要なくなったこの排煙装置は、またもや換気扇を残し解体されました。そして今、振出しに戻り、実家での仮住まいという環境で、新たな排塵装置として生まれ変わろうとしています。数奇な運命の換気扇ですね…幸い今回作業机と窓の位置が近いので、ダクトは短いものになり、排塵も効率よく出来そうです。

廃材をリサイクル


材料はすべて家に合ったものを使っています。寄せ集めの材料ばかりですので、上手く同じものが揃わない時には代用品を使っており、見てくれは悪いです。また、父が残した廃材も利用しているので、書き込みもあったりしてお恥ずかしい……

窓に設置するパーツと、それに合わせたダクト本体と繋げるジョイントパーツ。

これも家にあった合板で作っていますが、かなり古いものらしく、野外に置かれていたため劣化しており、ネジを打ち込むと層が剥がれたりして工作が大変でした。剥がれは瞬間接着剤を流し込み、クランプによる圧着で修正しています。

ジョイントを窓取り付け枠に取り付けました。

こちらはダクト本体。ダクトは空気の流れを考え、角を無くしカーブにしてやります。5.5ミリベニヤ板を鋸で切り、カンナで削って滑らかなカーブに仕立て上げました。古い板なので染みだらけでお恥ずかしい……

吸い込み口と排出口に角材で作った枠木を取り付け、ダクト本体を組みました。

ハリウッドでも用いられる?工法


これに2.3ミリのベニヤを貼り付けていきます。等間隔で切れ目(折れ線?)を入れて曲げやすくする必要があるかと、その手間を覚悟していたのですが、簡単に曲げることができ、思わず驚きの声をあげてしまいました。こんなにもしなやかに曲がるとは……

どこまで曲げられるか…これから実証実験していきます

しかし考えてみたらハリウッド映画などで、曲面を多用した宇宙船の内部セットを作る時などは、このようにベニヤを曲げて下地を作り、そこに表面加工していくわけですから、このような柔軟性を持っていても当然なわけです。新たな創作物への可能性を感じました。

木工用ボンドを塗り、ネジが効く部分には打ち込み固定。一晩経って完全にボンドが固まったらはみ出た部分を切り落し、角を滑らかにカンナで削りサンドペーパーで磨きました。窓枠パーツにダクトと換気扇を取り付けます。

環境にも配慮した排塵装置完成!


換気扇上の窓枠パーツの空いたところには「プチプチ」正式名称・気泡緩衝材を貼りつけました。本当は透明アクリルを使用したいところですが、在り物の流用です。

そしてここがミソなんですが、外に排出する粉塵は、少なからず環境に影響を与えると思われますので、フィルターを取り付け、出来る限りここで受け止めさせる配慮を施しています。

このフィルターは初代俳塵装置を作った時に購入したもの。厚さがあるのでしっかりと粉塵を絡めとってくれます。ちなみに「サニーフィルター」で検索すると出てきます。当時は電話で詳細を聞き、サイズカットなどを相談したのですが、細かく対応してくれ良い印象の会社でしたよ。

この排塵装置では、本宅に戻った時に改めて作る時の、仕様データを得るのも目的の一つです。

この仮住まいでは二階は私が占拠しているので、多少粉塵が舞っても支障は無いのですが、本宅では私の個室は無く、代わりの作業スペースはロフトの一角にあり、粉塵が出た場合、家中に撒き散らかされます。ここでしっかりとデータを収集、より完璧な排塵装置として進化させなければいけません……責任重大です。

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